火恋 ~ひれん~
「あれ、オリエちゃん久しぶりだねぇ」
海鳴り亭のマスターがピザのお皿をテーブルに置き、ニコニコと席に座ったわたしに声を掛けてくれた。
「ちょっとご無沙汰してました。これからはまた寄らせて下さい」
「いつでも大歓迎だよ」
セルドォル専用の奥の席。今日はわたしが上座。
「じゃあ、織江ちゃんの復帰を祝って乾ぱぁいっっ!」
由里子さんの朗らかな音頭でグラスを合わせる。
「もうほんとに織江さん、いきなりスマホは通じないし、こっちがパニクりましたよぉ!」
今は藤君から自分のも返してもらい、そのまま二台持ちしている。
「ごめんね果歩ちゃん。わたしも慌てちゃってて、それに病院はスマホ禁止だったし」
嘘は本当に心苦しい。
「お母さん、もう退院したんですかぁ?」
「うん、手術も成功して今は通院だけだから・・・」
・・・・・・わたし詐欺師の才能があるかも知れない。内心で泣きたくなる。
「良かったですねっ、元気になって!!」
「ありがと。あ・・・ほら、果歩ちゃんはソウタ君とはどうなの?」
若干強引に話題転換。
「別れちゃいましたよ? 言ってなかったでしたっけ? 今、新しい彼氏とラブラブ中でぇす!」
あっけらかんと笑う果歩ちゃんに。二つくらいしか歳も変わらないのに、若いってすごい。・・・そう思ってしまったわたしは大人になったのでしょうか、渉さん・・・・・・。
海鳴り亭のマスターがピザのお皿をテーブルに置き、ニコニコと席に座ったわたしに声を掛けてくれた。
「ちょっとご無沙汰してました。これからはまた寄らせて下さい」
「いつでも大歓迎だよ」
セルドォル専用の奥の席。今日はわたしが上座。
「じゃあ、織江ちゃんの復帰を祝って乾ぱぁいっっ!」
由里子さんの朗らかな音頭でグラスを合わせる。
「もうほんとに織江さん、いきなりスマホは通じないし、こっちがパニクりましたよぉ!」
今は藤君から自分のも返してもらい、そのまま二台持ちしている。
「ごめんね果歩ちゃん。わたしも慌てちゃってて、それに病院はスマホ禁止だったし」
嘘は本当に心苦しい。
「お母さん、もう退院したんですかぁ?」
「うん、手術も成功して今は通院だけだから・・・」
・・・・・・わたし詐欺師の才能があるかも知れない。内心で泣きたくなる。
「良かったですねっ、元気になって!!」
「ありがと。あ・・・ほら、果歩ちゃんはソウタ君とはどうなの?」
若干強引に話題転換。
「別れちゃいましたよ? 言ってなかったでしたっけ? 今、新しい彼氏とラブラブ中でぇす!」
あっけらかんと笑う果歩ちゃんに。二つくらいしか歳も変わらないのに、若いってすごい。・・・そう思ってしまったわたしは大人になったのでしょうか、渉さん・・・・・・。