短‐私たちの距離≒10cm






「……彩音?」

声がして、慌てて徹の手に置いてあった手を放した。

「……そのままで、よかったのに。」

徹がふわりと笑って言うから、私の顔の体温は高まるばかりだ。


「徹……大丈夫?」

「んな、泣きそうな顔するなよ。大丈夫だよ、大したことない。」

「だって……。」
「あやはすぐ泣く。昔からそうだ。……だから、俺は。」




「………徹?」

「……でもやっぱり、成長したよなぁ。」

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