短‐私たちの距離≒10cm
「………はい。」

向き合う。


そうだね。恋って、必ず相手がいるんだ。私一人考えていたって、相手のこと、考えなきゃうまくいくわけないよね。





「あやっ!……ってうぉっ!あやっ!」

ガラッ!
という音と共に勢いよく後方のドアが開いた。
と共に血相変えて出てきたのは、徹。
ドアの前に立っていた私は、いきなり後ろに現れた徹に驚いた。

それは、徹も同じだったみたい。


「あなたたちは、そろって……。ドアは静かに開け閉めしなさい。」

そう、とっても優しい顔で言ってから、保健の先生はさっき徹が開けたドアから部屋に入り、ドアを静かに閉めた。





私と徹との物凄く近い距離で、沈黙が続いた。



「あや。話がある。」
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