短‐私たちの距離≒10cm










「………え?え、えぇぇ!?」

「あや、驚きすぎじゃね?本当に、全く、気付かなかったの?」

コクコクと頷くばかりの私。


だって、だって徹は。

「興味ないって、言ってたじゃない。」

「ないよ。『彩音以外の女の子』には。」

そう言われて初めて、いつも徹がその言葉に主語をつけていなかったことに気がついた。

「あやって、なかなか呼んでくれなかったじゃない。」

「そうして少しは壁作らなきゃ、意識しすぎちゃって、歯止めが効かなくなりそうだったからだよ。ただでさえ、お前はいつも一緒だし、お前いつも俺に泣き付くし。」
< 23 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop