短‐私たちの距離≒10cm
「………え?え、えぇぇ!?」
「あや、驚きすぎじゃね?本当に、全く、気付かなかったの?」
コクコクと頷くばかりの私。
だって、だって徹は。
「興味ないって、言ってたじゃない。」
「ないよ。『彩音以外の女の子』には。」
そう言われて初めて、いつも徹がその言葉に主語をつけていなかったことに気がついた。
「あやって、なかなか呼んでくれなかったじゃない。」
「そうして少しは壁作らなきゃ、意識しすぎちゃって、歯止めが効かなくなりそうだったからだよ。ただでさえ、お前はいつも一緒だし、お前いつも俺に泣き付くし。」