短‐私たちの距離≒10cm
「興味ない、なんて。そんなこと言って断ってて、いざ興味でた時誰にも相手にされなくなってたらどうすんの?」

「……じゃあ彩音は俺に、好きでもない奴と付き合えっていうの?」

「……そんなこと、」
「同じだろ。」

そういって、不機嫌そうに顔を背けた徹。


……怒らせちゃったかな?


「ごめん、徹。」

私は泣き虫。すぐに涙目になってしまう。
今も………『徹に嫌われるかも』って思うだけで、泣きたくなる。


「………あや?泣くなよ。これくらいで。」

私の顔を覗き込んで、そうなだめる徹。
私達の顔の距離は、およそ10cm。

それは私の顔を赤らめるには充分な距離だった。
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