僕と道化(ピエロ)と君の恋
 通用門から勢い良く出た僕は何かに躓いてこけそうになった。

 体勢を立て直して躓いた物を見ると、女性物の靴だった。しかも片方だけ。

 誰がこんな所に靴なんて……

 一瞬考えたが、本の事を思い出して、直ぐさま原付きをまたいでキーを回す。

 「あの……」

 ヘルメットをかぶりながら振り返って声の主を見ると、さっきの女の子がたっていた。

 「はい?」

 「靴見かけませんでした?気付いたら片方履いてなくて……」
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