僕と道化(ピエロ)と君の恋
 『でしょ?今日は日之輪さんは何しに来た?』

 「何って本を読みに……」

 再び階段を昇り始める。

 『じゃあ何であんなおめかしをしたの?』

 「そんなの僕にわかるわけないだろ?」

 後七段。

 もう一段昇れば家の前を延びる廊下が視界にはいる。

 『馬鹿!日之輪さんは本を読んでた?』

 僕はまた立ち止まった。

 「そういえば読んでなさそうだったな、逆さまだったし……」
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