僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「あっ……靴」

 赤いパンプスはやはり日之輪さんには不似合いな気がした。


 『で、どうするの?』

 「何が?」

 僕は焦げたハンバーグを口に運びながら聞き返す。

 『何がって日之輪さんの事に決まってるでしょ』

 ん……我ながら苦い。

 「それこそ決まってるだろ、断るよ」

 『えー!!!』

 一つ目のハンバーグを完食し、二つ目は諦める事にした。

 癌になりたくないし……
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