僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「おっと!」

 僕は反射的に腕を伸ばして日之輪さんを受け止めた。

 「す、すいません」

 「いえいえ、大丈夫?」

 「はい、じゃあ行きましょう」

 再び日之輪さんは前に立って歩き出した。

 日之輪さんは外に出るまでの数メートルの間で一度躓き、外に出て喫茶店迄の間で三度躓いた。

 「だ、大丈夫?」

 「は、はい、いつもの事なんで慣れてますから」

 慣れてるのもどうだろう……
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