僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「どうゆう意味?」

 と、聞こうとした僕はニチカさんの視線に言葉を遮られた。

 「私がこもる様になったのは、今から約十二年前、中学二年生の時の夏でした」

 十二年前の夏……

 偶然か、必然か、奇しくも僕が早紀を失い、引きこもり出した時期と重なる。

 「進学校に通っていた私は、学校が終わると塾へそのまま向かうのが日課でした」

 僕はニチカさんの言葉を聞く事しか出来なかった。
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