僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「その日は少し塾から出るのが遅くなって、私はいつもの道を足早に歩いてました。私の家は住宅街のにある一軒家、いつもより足早に歩いたお陰で家までもう少しとゆう所まで来た時には、いつもと変わらない時間でした」

 明らかに似ても似つかない、雰囲気、仕種、声、喋り方、背格好から髪まで……

 当然である、別人なのだから。

 しかし、僕は重ねてしまった。早紀と――

 何一つ重なる所のない早紀とニチカさんを。
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