僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「私の両親は大きくはないですが、会社を経営していました。私をさらった男達の目的は身代金で、二日間で五千万とゆう大金を要求し、用意出来無ければ私を殺す。そう両親に言いました」

 僕は膝の上で僅かに震えているニチカさんの手に、自分の手を重ねた。ニチカさんは驚いたように一瞬手をビクッとさせたが、僕の手を払う事はしなかった。

 「そしてお金さえ用意すれば殺しはしない、と告げて男は電話を切りました」
< 166 / 229 >

この作品をシェア

pagetop