僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「何?」

 「軽蔑しますか?犯されて、汚れた身体の私を……」

 反射的に体が動いていた。

 『マコト!!』

 シンヤが中から叫ぶのと同時に軽快な音が辺りに響く。

 パァン!

 手に残るニチカさんの頬を叩いた感触、生まれて初めて女性を叩いた手の平は、まるで火傷でもした様に熱くて

 そして――

 痛かった……

 ニチカさんは僕が打った頬を抑えて、声を上げて泣いた。
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