僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「ごめん……でも――」

 叩いた手の平の熱さ、痛みを少しでも和らげようと僕は手を握り、拳を作った。

 「そんな事思ってないの……わかってるでしょ?汚いなんて――」

 ニチカさんは泣きながら頷く。

 「ニチカさんは汚くなんてない、軽蔑なんてしないよ」

 「わ……かってます、マコトさんが……そんな人なんかじゃ……ない事、軽蔑なんてしない事も。それでも、誰かに――誰かに言って欲しかった……」

 
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