僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「今更下着ぐらいなんて事なくない?」

 慌てて段ボールを閉めて、顔を赤くするアユを見ながら僕は言う。

 「なんて事なくない!」

 「そ、そんなに怒らなくても……」

 アユのあまりの剣幕に僕はたじろいで、後ずさりするようなそぶりをした。

 「じゃあシンヤは私が家の中で下着姿とかでうろうろしてもいいんだ?」

 アユの言葉に僕は少し考える様に腕を組み、口を真一文字に閉める。
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