僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「本当にすみません!」

 彼女は勢い良く、それはもう深々と頭を下げた。

 そして何とも表現しがたい音。

 「あっ……」

 再び鞄の中身は地面へとダイブした。

 ここまでくると笑うしかないよな?

 「あははっ!」

 笑う僕を見て彼女も笑った。

 「あははっ!」

 僕らは本日二度目の『潮干狩り』ならぬ『鞄の中身狩り』をするべくしゃがみ込んだ。

 もしやと思い少し僕は視線を上げた。
< 18 / 229 >

この作品をシェア

pagetop