僕と道化(ピエロ)と君の恋
 失う辛さ――

 誰よりもわかっているはずだった。

 だが、僕はアユが傍に居る事を疑わなかった。

 水や空気は無くならないのだから……

 僕は嘘をつくのが下手だった、必然的に浮気を隠し通せる筈も無く、事実は事実としてアユに知れる事となり、僕は

 渇きに苦しみ――

 空気を渇望した――

 アユと僕の付き合いは当然の様に終わった。

 一緒に暮らし始めて一年も待たずに……
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