僕と道化(ピエロ)と君の恋
 カラオケを出て、家に帰るにはまだ少し早いね、等と話している時に僕言葉を紡いだ。

 「アユ……」

 「何?」

 「自分勝手で我が儘だと思う、都合が良すぎると思う、でもやっぱり僕はアユがいないとだめなんだ……戻って来て欲しい――」

 一瞬で空気が凍りついた様に張り詰めた。

 十秒――

 二十秒――

 アユは返事をせず、耐え兼ねた僕が口を開いた。

 「勝手だよね、わかってる……それでもやっぱり僕はアユと居たいから」
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