僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「無理なの……」

 「どうして?もう嫌いになった?」

 我ながら意地の悪い質問だと思いながらも、僕は聞かずにはいられなかった。

 「嫌いになんてなれない……」

 嫌いならば、今こうして顔を合わせている事すらないのだから。

 「じゃあどうして?」

 「信じられない……もうあんな思いしたくないの……」

 当然の答――

 だからと言って僕も簡単に引き下がるわけにもいかず、必死に言葉を捜す。
< 187 / 229 >

この作品をシェア

pagetop