僕と道化(ピエロ)と君の恋
 ニチカの言葉はきっと的を射ているだろう、文字通りアユはニチカ半身なのだから。

 「そうだね……シンヤはいい子を見つけたね、普通ならもうとっくに終わってるからね」

 ニチカは何か言いた気に僕を見つめる。

 「何?」

 僕はわざと白々しく見せながら聞いた。

 「別に……なんでもありません」

 ニチカはそう言って台所へと戻って行く。

 僕はゆっくりと立ち上がると気配を殺してニチカを追って台所へと入った。
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