僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「ニチカ――」

 流しに向かって立っていたニチカを後ろから抱きしめて僕は呟いた。

 「な、なんですか?」

 何年たってもニチカは慣れない、僕はそのニチカの恥ずかしがる姿見たさにいつも突然抱きしめたりする。

 「ニチカは最高の恋人だよ、誰よりもね」

 「本当……ですか?」

 「ああ、本当だよ」

 僕はニチカの首にキスをした。

 「ありがとうございます……私、幸せです」
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