僕と道化(ピエロ)と君の恋
 そしてニチカは振り返りはっきりと言い放った。

 「でも、浮気は許しませんからね?」

 「は、はい!」

 「よろしい!じゃあもうすぐ出来るから待ってて下さいね」

 ニチカは僕の体を反転させると、背中を押して居間へと押し戻した。

 「はーい」

 居間へ戻された僕は、鼻歌交じりにご飯の支度をするニチカの後ろ姿に目をやった。

 いつからか伸ばし始めた髪は、肩より十五センチぐらい長くなっている。
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