僕と道化(ピエロ)と君の恋
 まあ着ぐるみ組に言わせれば

 「俺達と代わってみるか?そんなもんじゃない」

 と、なるのだが。

 そんな事を言いながらも、既に一年以上も道化をしている。

 彼女に出会ったのも、風船を手に笑顔で道化を演じていた時だった。

 「あの……」

 僕は風船が飛ばないようにゆっくりと振り返り、声の主を見た。

 歳は僕と同じぐらいであろう、長くも短くもない真っ黒な髪を風になびかせて女の子が立っていた。
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