僕と道化(ピエロ)と君の恋
 母さんは突然の『僕』の問い掛けに目を丸くして言った。

 「お友達と喧嘩でもしたの?」

 『ううん、もう一人の僕がね、絶対ブルーの方が強いって言うんだ。レッドの方が強いよね?』

 母親は丸くした目を、今度は四角くした。

 「『もう一人の僕』?」

 『うん。隊長なんだからレッドの方が強いよね?』

 「ちょっ、ちょっと待って、『もう一人の僕って』?」

 『だから、もう一人の僕だよ』
< 30 / 229 >

この作品をシェア

pagetop