僕と道化(ピエロ)と君の恋
 シャンプーの香りがほのかに漂う。

 「あっ……はい、こちらこそ……」

 スッと通った鼻筋に、大きな瞳、その瞳にイヤミにならない程度に睫毛が陰を作っている。これと言って非を打つ場所がない程整った顔だ。

 掛値なしに美人。

 一晩で人間はここまで変われるものなのか……

 「もう一人来るはずなんだが……」

 主任が辺りを見回しながら呟いた。

 もう一人……?

 おい……一日に二人も新人入れるか?
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