僕と道化(ピエロ)と君の恋
 この時僕は、彼女に一目惚れした。

 わけではない。

 それはまだ先の話し。

 その日の仕事上がり、更衣室はチケット売り場に入る新人の話題で盛り上がっていた。

 「おい、聞いたか?今度の新人、かなりの美人らしいぞ」

 「へー、そうなんですか?」

 僕は適当に相槌を打ちながら彼女の顔を思い出していた。

 不細工とゆうわけでも無かったが、取り立てる程美人とゆう印象は無かった。顔の造りは悪くないが、何か『華』のない感じ。
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