僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「えーー!」

 やけに盛り上がっている華崎さんの挨拶。

 好きな人がいるから何なんだよ……

 僕には全く興味がない事だ。

 「マコトさんでーす!」

 みんなの視線が僕に集中する。日之輪さんの視線も僕に向けられ、日之輪さんを凝視していた僕の視線と必然的に交わる。

 それはきっと気のせいだったのだろう。しかし僕は確かに聴いた気がした。

 「……間宮さん」

 言葉を交わして僅か二日の、何故か懐かしい声。
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