僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「こら!ピエロ間宮!」

 アルマジロが日本語で話し掛けて来る。もちろん金田さんだが。

 「何ですか?」

 僕は日之輪さんと視線を交わしたまま返事をした。

 「お前抜け駆けしやがったな!?」

 「なんの話しですか?」

 「何って、アオイちゃんがお前を好きだって話しだよ」

 何故か着ぐるみのままの金田さんは、大きな体を左右に揺らしながら歩み寄って来た。

 「ああ……そうみたいですね」
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