僕と道化(ピエロ)と君の恋
 男は『僕』の髪を掴み、顔にナイフを当てた。

 「ぼく、ちゃんと見てなちゃいね、将来のお勉強になりまちゅからね」

 その男が早紀の所へ行き腕を押さえ、もう一人の男が早紀の浴衣の襟元を持ち左右へ引っ張る。

 透き通るような白い肌があらわになる。

 「やめろ……やめろぉー!」

 声の限り叫ぶ。

 「早紀!起きろ!早紀!」

 早紀が目を覚ます。それと同時に悲鳴を上げる。
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