僕と道化(ピエロ)と君の恋
 「マコトさんは、大好きな私の姉さんの彼氏」

 葵ちゃんは眩しい物でも見るように目を細めて『僕』を見つめる。しかし、葵ちゃんが見ている物が『今』ではない事は明らかだった。

 「マコトさんも、姉さんも、私は大好きだったから。だから私の入り込める隙間なんてなかったんです」

 葵ちゃんの目に涙が溜まり、今にも溢れんばかりにきらめく。

 「姉さんと居る時のマコトさん……本当に幸せそうだった」
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