虹のかかる空【短編】
「……工藤、テスト前だよ」
「知ってるよ。
でもどうせ普段からきちんと勉強してるでしょ。
万年学年一位の結城サン」
「それは……そうだけど。
工藤は、いいの?」
「あー、大丈夫大丈夫。
二位の座を誰かに奪われない程度には勉強してるから」
再びニヤリと笑う工藤。
あぁ、敵わない。
敵わないなぁ。
努力家で、素直で、真っ直ぐな工藤。
わたしがどんなに頑張ってテストで一位をとり続けても、やっぱり工藤の背中まではまだまだ遠いんだ。