リアルな恋は落ち着かない
「てっきり、オレは軟派な優男が好きなのかって思ってました」


(えっ!?)


「や、やだよ、そんな人・・・なんで」

「・・・阿部課長が好きだったし」

「!」

突然出てきた課長の名前に、私は驚き、同時に焦った。

「か、課長は・・・ちょっと、憧れていただけで・・・。それに、課長を軟派と思ったことはなかったし・・・」

もごもご言い訳を並べると、五十嵐くんは「信じられない」と言わんばかりの顔をする。

なんだか、答えを間違ってしまった様な気がする。

「課長、軟派な優男の代名詞みたいじゃないですか」

「そ、そうかな・・・」

「そうですよ。・・・すごいな、ある意味」
< 122 / 314 >

この作品をシェア

pagetop