リアルな恋は落ち着かない
「橘内さんが望むレベルの硬派じゃないと思うけど。少なくとも、浮気はしません」

どうしていいかわからなかった。

彼が言ってくれた言葉たちは、私に向けられた好意なのだと、それだけは理解したけれど。

私の頭の中は真っ白で、心臓だけがバクバクと激しい音を出していた。

「・・・まあ、考えといてください」

返事も出来ず固まる私に、五十嵐くんはそう言った。

夢のような出来事に、私は、騒ぐ胸を必死で抑えた。

もう、自分の気持ちに気づかないなんてはずはなかった。

戸惑いと、ドキドキと、そしてなにより嬉しさと。

私は五十嵐くんのことが好きだって、確信をもって気づいてしまった。







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