リアルな恋は落ち着かない
5.
翌日の月曜日。

週の始まりは、眠い瞼をこすりながらの出勤だった。

一晩中、五十嵐くんのことを考え、あまり眠れなかったのだ。


(昨日のは、告白してくれたって、そう思っていいんだよね・・・)


嬉しかった。

「考えといてください」って、彼はそう言っていた。

心の中で答えはもう決まっているのに、いつどう伝えればいいのか、私にはまだわからなかった。


(今度、私からデートにでも誘おうか・・・)


それはずいぶん勇気がいること。

できるかどうかはわからないけど、もしもできたら、その時に自分の想いを伝えられればいいなと思った。


(今日はひとまず、会ったら昨日のお礼を言って・・・)


考えながら、会社に着いてエントランスを歩いていると、後ろから「おっ!」という明るい声が聞こえてきた。

「橘内さんおはよう!」

振り向くと、にっこり笑顔の向坂部長。

今日もやっぱり元気そう。

「おはようございます」

「おはよう!いやあ、朝から橘内さんに会うと元気が出るなー。今日もやっぱりキレイだなー」

「あ、ありがとうございます・・・」
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