リアルな恋は落ち着かない
６．
月曜日の朝は、今までになくヒンヤリとした寒さを感じた。

もう秋も深まって、冬が近づいたんだと思う。


（週末は、少し衣替えをしようかな）


もう１０月に入ったことだし。

そろそろ、ブーツも出そうかなと思う。


（土日もちょっと寒かったし・・・五十嵐くん、風邪引いてないといいけど・・・）


金曜日、彼は私以上に雨に濡れてた。

私は大丈夫だったけど、五十嵐くんは土日もずっと仕事だったし、体調を崩していないかちょっと心配になる。


（傘は、ほとんど私に向けてくれていたもんね・・・）


金曜の夜の、甘い記憶を思い出す。

五十嵐くんに会うのが、ちょっと照れくさくも思う。


（・・・どんな顔して会おう・・・）


意識せず、自然な笑顔を向けるのは、私にはちょっと無理かもしれない。

土日もいろいろ妄想し、そんな自分に思わず赤面したりした。


（こういうところが、私は多分イタいんだ・・・）


ずっと家で過ごしていたので、光之助とデートもしていた。

するとやっぱり、五十嵐くんは光之助に似ているなって、「ゆりな」と「光之助」を、自分と五十嵐くんに重ね合わせてみたりした。
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