リアルな恋は落ち着かない
(でも、やっぱり怖いな・・・)


あのときの、続きはもちろん気になっている。

だけどまだ、彼と向き合って話をする勇気はなかった。

「はあ・・・」

ため息をつき、本棚の上に目をやった。

そして、目が合ったはなこちゃんにアドバイスを求めようとした瞬間、私のスマホがブルブル震えた。


(ん?)


手に取って、画面を確認。

その瞬間、私は驚き、慌てて通話ボタンを指で押す。

「は、はい!」

「あ、橘内さん。ごめんねー、お休みのとこ」

かけてきたのは向坂部長。

直々に電話がかかってきたのは初めてで、テーブルの前で思わず正座をしてしまう。

「体調はどう?」

「はい、もう大丈夫です。長々とお休みをいただいて、どうもありがとうございました」

「いやいや。たった三日でしょ。そんなに恐縮しないで」

電話でも、部長はいつもと変わらなかった。

私はちょっとほっとする。

「じゃあ、明日は来れるかな」

「はい。もうすっかり元気なので・・・」

「そうかー、よかったー。橘内さんがいないとね、オジサンチームの元気がなくて」

「は、はあ・・・」


(部長がわざわざ、明日の出社確認だけかな?)
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