リアルな恋は落ち着かない
とりあえず、明日は仕事帰りに予定が入った。

飲み会自体は苦手だし、復帰初日の宴で落ち着かない気持ちはあるけれど。

これで、五十嵐くんから仕事後に誘われることはないと思うと、私はちょっとほっとした。


（職場の飲み会だから一緒だけど・・・。みんながいれば、二人だけで話をすることはないもんね）


そのことに気がつくと、少し気持ちが楽になる。

永遠に、話の続きをしないなんて無理なことではあるけれど、直近の明日ではないことに、私はひとまずほっとした。


（・・・よし。ちょっと早いけど、もうお風呂に入っておこうかな）


時刻は、１７時を少し過ぎたところだった。

お風呂にのんびり入ってごはんを食べて・・・今日は早く寝て三日ぶりの明日の仕事にそなえよう！

そう気合いを入れると、お風呂でゆっくりと湯船につかることにした。

今日も家にはひとりきり。

静かな空間の中、私はのんびりバスタイム。

のぼせる寸前でお風呂を出ると、時刻はまもなく、１９時になろうとしているところだった。


（すごい長風呂をしてしまった・・・）


火照った顔をあおぎながら、なにか飲もうとキッチンへ向かう。

すると母が帰宅していて、夕飯の準備をしてくれていた。

「あ、出てきた。長かったわね～」

「うん。ちょっと、のんびりしすぎた」

照れ笑いをしながら、冷蔵庫の麦茶を出してゴクゴク飲んだ。

乾いたのどが、すぐに潤う。
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