リアルな恋は落ち着かない
「ももさん、お待たせっ」

私は、ファーストフード店の窓際に座っていた、親友のももさんこと花山杏果(はなやまももか)に手を振った。

ももさんは私に気づくと、大きめの赤縁メガネをくいっと小さく持ち上げた。

「おおう!ゆりりん。今日も麗しいOL様ではないですか」

「疲れたよう。完全にコスプレモードだもん。早く脱いでしまいたい」

「うむ。ささっと着替えて行こうではないか」

「うん」

「よし。では、いざ出陣!」

「おー!」

ももさんのかけ声に、私は小さい拳をえいっと上げる。

「よい返事」と笑ったももさんは、席を立ちあがり、飲み干したジュースをゴミ箱の中へと片付けた。





< 3 / 314 >

この作品をシェア

pagetop