苦手な言葉レンタルします!
何かを察したように笑みを浮かべて山口佳代は肯いた。そして矢継ぎ早に、店主に問いかけた。

「でしたら、別れ用の「言葉」なんていうのも、レンタルしてくれるんですかね?」
「別れは私も得意じゃないんでアレなんですが、一点だけ一応用意はありますよ」

レンタルしている「言葉」と、店主の得意、不得意がどう関連があるのか・・・山口佳代にとっては、知る由も無かった。

「だったら、それを3ヶ月貸してください!」
店主は、その<愛の結末編>の中の<別れ言葉集>を巾着に仕込み、その使い方を山口佳代に説明し始めたが。

「説明は今日は結構です、必要な時が来たら聞きに来ますから、その時お願いしますね」

「そうだね、別れなくて済むなら、それに越したことは無いからねぇ~」
店主はにこやかに山口佳代に肯いた。
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