Fw:添付画像あり
長いストレートの黒髪はサラサラと肩から落ち、そこから覗く陶器の様な白い肌は、やはり透けてしまいそうだった。
「私、葉月 蛍。よろしくね」
所々スタッカートのきいた、まるで心地良いクラシック音楽の様な声が、その小さな唇から奏でられた。
この声、さっき聞こえた「会いたかった」と言った声に似ている……。
だがその声よりも、葉月蛍の声は躍動的で、それは明らかに違った。
やっぱり聞き間違いか。
「あぁ、よろしく葉月」
社交辞令的な微笑みであったが、俺のその微笑みに、葉月は嬉しそうに微笑み返した。
「ねぇ、俊君って呼んでいい?いいよね?決定」
「え?俊……君?」
「うん、そう呼びたいの。そう呼んじゃうね」
呆気に取られていると、葉月はニコニコと笑いながら机に身を乗り出してきた。
見た目とは正反対で、社交的と言うか、強引と言うか……。
「あ、あぁ……」
何と無く断れなくなって、承諾してしまった。
だがそんな心情を知るはずも無い葉月は「良かったぁ〜」と言って、何かにお願いするみたいに両手を胸の前で合わせ、大袈裟なリアクションを取った。