Fw:添付画像あり
午前の授業が終わり昼休みに入ると、教室はざわざわと騒がしくなった。
太陽も朝より高く昇り、その陽射しは益々この教室の温度を上げていった。
俺は動く気になれず、下敷きで自身を扇ぎながら、パタパタと風を送った。
「よぉイケメン」
暑さにのびていると、俺と同じ様に額に汗を滲ませた男が俺の席にやってきた。
背も高く、お前の方がイケメンだろう、と言いたくなる様な美形だ。
だがパーマの掛かった痛んだ茶髪や、髪と同じ色をした細い眉、耳と鼻に光るピアスが、顔の作りの良さよりも目立っていた。
そいつはおもむろに俺の隣の席に腰掛け、おそらく炭酸飲料が入っている缶ジュースのタブをプシュッと音をさせて開けると、ゴクゴクと飲み始めた。
「やっぱ暑い時はこれだよなぁ」
ぷはぁーっと言いそうな勢いで炭酸飲料をがぶ飲みすると、俺に顔を向けながら缶ジュースを掲げ、同意を求めてきた。
俺がまだ自身を扇ぎながらそれを無表情で見ていると、そいつはニカッと笑った。
どこかで見た笑い方だなと思っていると、俺の前頭葉が側頭葉に信号を出す前に、同じ笑顔の人物が現れた。