Fw:添付画像あり
「ねっ、薫、言った通りイケメンでしょう」
笑うと八重歯が覗く、藤本亜由美。
このカップルは笑い方がそっくりだな。
藤本は彼氏が座る前の席に、葉月と向かい合う様な向きで腰掛け、脚を組みながら二つの弁当箱の包みを開き始めた。
「俺もイケメンだけど」
「おー、そうだねそうだねぇ。あ、蛍も川崎君も一緒に食べよう」
彼氏の反論に適当に相槌を打った藤本は、俺と葉月に手招きしながら昼飯に誘ってきた。
葉月は嬉しそうに頷いて、鞄の中から弁当箱を取り出し、机を藤本の方にくっつけた。
そういえば、俺は弁当なんて持ってきていなかった。
母からもそんな物を作ってもらった事はないし、今まではずっと学食だった。
「俺、弁当ないや。学食とか購買ある?」
「この学校に学食はねぇなぁ。購買も、今行っても何も残ってないな」
藤本の彼氏がそう言うと、俺の腹が鳴った。
俺が苦笑して腹を押さえると、三人は声を上げて笑った。
「ははっ、俺の半分食う?亜由美の手作りだけど、こいついつも大量に作ってくるからさ、そんなに食えねぇって言ってんのに」