Fw:添付画像あり

だが俺は、どうして葉月がここまでしてくれるのかが分からなかった。

教科書の事といい弁当の事といい、今日初めて知り合った転校生の為に、わざわざしてくれる事だろうか？

「悪いよ、そんな色々してもらったら。それに弁当作るのだって大変だろ？」

その言葉に、葉月ではなく藤本が、小野田に視線を向けながら頷いた。

どうやら「弁当作るのも大変なんだぞ」という、無言の主張をしている様だ。

小野田はそれに対し、愛想笑いを浮かべた。

小野田からもらった弁当が全て俺の腹の中に入り、俺は割り箸をパキンと半分に折って、すぐ後ろにあったごみ箱に投げ入れた。

「藤本、ごちそうさん」

「いえいえ」

弁当の蓋を藤本に差し出すと、藤本は満足気にそれを受け取った。

「私も俊君にごちそうさま言われたい〜」

「葉月、川崎に惚れたか」

葉月が駄々っ子の様に頬を膨らませると、小野田がそれをからかった。

小野田の言葉に、膨らませた頬をほんのり桃色にさせると、空気が抜けていった。

「私毎日お弁当作ってるから、二つ分になっても変わらないもん」

葉月は俯き、でも目だけは俺を見て呟いた。