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“決まり”とは、この町でのしきたりの様な物なのだろうか。
その言葉で一くくりにされたら益々気になるのだが、五時間目の授業を担当する教師が教室に入ってきたので、俺の思考は一旦中断させられた。
それから退屈な授業が始まり、すぐに“決まり”の事など忘れていった。
六時間目の授業も終わり、担任がSHRを適当に終わらせると、教室内はガヤガヤと活気に溢れた。
やっと拘束から解かれる事を喜び、これから何処に行こうかと歓談する声が聞こえる。
俺も大きく伸びをし、つまらない授業で増した眠気を払った。
「俊君寝てたでしょう。寝息が聞こえたよ」
そう言って葉月は振り向き、口許に右手を当てて笑った。
「あぁ、悪い」
寝息が煩かったのかと思い謝ると、葉月はまた笑って、首を横に振った。
「ねぇー、何処行く何処行く?川崎君行きたい場所とかある?」
葉月と話していると、藤本が鞄を振り回しながら、スキップする様に近付いて来た。
帰れる事がよほど嬉しいらしい。