Fw:添付画像あり
「皆はいつも何処で遊んでんの?」
この辺りに娯楽施設などは見当たらなかったし、遊び盛りの高校生が、この町の何処で時間を潰しているのか興味があった。
「んー、土日とかは市内まで行って買い物とかカラオケとかするんだけど、放課後は適当にお菓子買って、誰かん家でお菓子パーティーかなぁ」
「あとはお散歩したり、喫茶店でお喋りしたり」
藤本と葉月は腕組みしながら記憶を探り、普段している事を挙げていった。
お菓子パーティーに散歩って。
やはり交通手段が無い事は致命的な様だ。
「薫はバイクあるから、よく市内まで行くみたいだけどねぇ。あたしの事は乗せてくれないの、危ないからって」
藤本がそう言って口を尖らせると、まだ自分の席に座っていた小野田が、携帯を片手にこちらを見た。
「皆悪い、俺これからちょっと用出来ちゃって。三人で帰って!じゃーな!」
そして机に掛かっていた鞄を掴み、足速に教室を出て行った。
「はぁー!?ちょっと用って何よ!また女だったら許さないから!」
藤本は踵を踏んでいた上履きを右手に掴み、小野田が出て行った戸に向かって思い切り投げ付けた。