Fw:添付画像あり



結局案内はまた後日という事になり、俺と葉月の家とは少し離れた藤本の家に、三人で向かう。

まだ外は暗くは無かったが、一人で帰らせるのも可哀相だと、俺と葉月は口には出さなかったがそう思ったからだった。


学校もたんぼに囲まれた場所にあり、校門を出ると、銀と赤のテープがキラキラと光を反射していた。

やはりここは田舎町で、狭い道はまだ砂利道が多かった。

道の脇に並んで立つ木々は、青空に浮かぶ入道雲を掴もうとする様に、枝を高く伸ばしている。

その御蔭で日陰が出来、この道は多少涼しかった。


「ったく薫の奴、メールの返事もよこさないし」

藤本は眉を吊り上げながら右手に持った携帯を睨み、グチグチと小野田の愚痴を呟いた。

そんな呟きが聞こえなくても、その表情から明らかに怒りの感情がうかがえた。

そう、明らかに怒りの感情がうかがえるはずなのだが――

「あ、亜由美ちゃん携帯変えたの?」

葉月はニコニコと、並んで歩く藤本が今まさに睨んでいる携帯を見て言った。

それを後ろから見ていた俺は目を丸くするのだが、藤本は葉月の顔を見て、つられる様に笑った。
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