Fw:添付画像あり
「俊君、また明日」
「あぁ、またな」
そう言って振り返ると葉月の姿はもう無く、声のした場所には一件の、少し古い家があった。
あそこが葉月の家か。
川崎家と同じく少し古びた家は、他の家とも同様、いかにも日本家屋といった作りだった。
それから少し歩くと、すぐに我が家へと着いた。
歩いて二分程。
こんなに近いのなら、きっと美優と葉月は知り合いかもしれないな。
そんな事を思いながら、家の玄関の戸を開けた。
「ただいま」
だがまだ誰も帰って来ていないのか、俺の声だけが家の中に響いた。
靴を脱ぎ、少し急な階段を上り部屋に入った。
昨日越して来たばかりの部屋。
畳の部屋であったが黒い絨毯が敷いてある。
まだ荷物の整理が出来ておらず、段ボールが三つ程隅に置いてあった。
この部屋には俺が持ってきた物が少ない。
生活する為に必要最低限なベッド。
バイト代を貯めて買ったコンポにテレビ。
前の家から持ってきた家具はこれくらいだった。
だが親父が気を利かせてくれ、机やテーブルやソファーに、大きさの様々なラックが三つ増えた。
後は段ボールに入った衣類やCD等を片すだけ。