Fw:添付画像あり

手に持っていた鞄を適当に床に置き、机の一番上の引き出しからカッターを出した。

エアコンのスイッチを入れ、片付けを始めるべく、段ボールのガムテープをカッターで切りながら剥がし、一つずつ開けていった。

三つ目の段ボールを開けた時、その中には俺の物ではない、宛名も切手も無い白い封筒が入っていた。


へそくりか何かだろう。

母さんが間違えたんだな。


取り敢えずそれを手に取り、光に翳してみた。

例えへそくりでも猫ばばするつもりは無いが、いくらあるのか興味をそそられた。

だが俺の当ては外れ、透けて見える物はお金ではなかった。

中の物は透けず、そのシルエットは写真の様だ。


封がされていない封筒を覗き込み、指で中の物を取り出す。

見るとそれはやはり写真で、何年も前に撮影されたのか古びていた。

それには、家の前で二人の大人と二人の子供が笑いながら写っている。

その中の一人は若い頃の母で、もう一人はおそらく幼い頃の俺だった。

だがあとの二人は分からない。


こう見ると家族の様に見えるのだが……。
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