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「俊幸君が居なくて寂しい時にね、これを俊幸君だと思っていつもつけてるの」
そう言って、美優の髪に触れた俺の手に美優も手を乗せ、目をつむった。
「美優、四月のダイヤモンドと、一月の誕生石……ガーネットが好きなんだ」
そう呟き、口角を上げた。
俺には誕生石の知識など持ち合わせておらず、四月はダイヤだという事くらいしか知らなかったが、ガーネットという宝石は聞いた事があった。
確か、深い赤い色をした宝石。
「俊幸君は五月だからエメラルドだね。何か似合いそう」
「エメラルドか。宝石の事はよく分からないな」
俺が苦笑いすると、美優もえくぼを作って笑った。
「そういえば今日、お昼ご飯どうした?美優ね、学校行く時気付いたんだ、俊幸君のお弁当作ってなかったって」
美優はパッと目を開き、慌てた様に言った。
「友達に分けてもらったよ」
「うわぁ、ごめんねぇ。明日から美優が作るから」
俺が笑って言うと、美優は眉頭を寄せて益々慌てた。