Fw:添付画像あり
昼休みになると、小野田は藤本と教室を出て行った。
弁当を持っていない所を見ると、おそらく飲み物を買いに行ったんだろう。
購買へパンを買いに行く者や、小野田達と同じく飲み物を買いに行く者達が皆出て行き、教室内には十人程度しか残っていなかった。
俺は大きな欠伸を一つし、窓の外を眺めた。
窓を全開にしていても、この暑さに風は到底太刀打ち出来ない。
陽射しを少しでも遮ろうとカーテンを閉めていたが、風が吹く度に揺れるカーテンが邪魔だったので、結局両端で留めてしまっていた。
「俊君、はい、お弁当」
葉月は振り返り、猫のキャラクターがデカデカとプリントされたピンクの巾着を、俺の机に置いた。
それに手を付けるのを、小野田達が居ない今は少し躊躇してしまう。
事情を知らない奴らにこの光景を見られたら、転校早々愛妻弁当を作ってもらっているタラシな男か、少女趣味な怪しい男だと思われるだろう。
いや、前者は当たらずしも遠からずといった感じなのだが。
「あ、ありがとう」
心の中で小野田達が早く戻って来る事を願いつつ、取り敢えずお礼だけは言っておく。